2013年11月27日水曜日

Vol.165「めんどくせぇなと遠回り」の巻


紅葉がきれいだわ、空気が澄んで色がはっきり見える。黄色いの赤いの緑色なの茶色なの重なってきれいに見えて嬉しくなる。どきどきしてくる。ちょいとせつなくなる。暑かった夏からいきなり冬が来たような今年、秋らしい秋がなかったなぁなんておもったけど、ここにきてやっぱりみせてくれますな、秋。そしてさぁさ冬が来ますよ、今年ももうあと一カ月でってなこの時期、いかがおすごしか?

先日、宮崎駿さんのドキュメンタリーをテレビで観た。熱く語れるほどジブリ作品をみたことはないのだが、このドキュメンタリーをおもしろく観させてもらった。てっきり宮崎駿さんていうのは、いつもニコニコ、ほんわかしたイメージの人なのかなと勝手におもっていたのだが、タバコ離さず「めんどくせぇなぁ、あぁめんどくさい」なんて言いながら一生懸命自分の描いた絵に自分で駄目出しして描き直してた。その労力、根気、こだわりもおもしろく、刺激になったが、何よりこのぼやきがおもしろかった。「めんどくせぇなぁ」。

こういうことを口に出してしまいながら一生懸命やっちゃう人がおもしろい。
思い出すのは、現場作業をしていた頃、やたら声がでかい左官屋のおじさんがいた。遠くにいても現場中に声が響く、「うわっ!」とか「いやいやいや!」「まったく、この野郎!」とか何でも口にだすおじさん。あんまり声が大きいので何事かと見てみると、全部自分のヘマに対して発していた。人がヘマをしても「いいよいいよ、そんなの、やっとくよ」と寛容なのだが、自分のヘマは大袈裟すぎるくらい「うわ!」「あいたた!」「いやいやいや!」とひっきりなしに叫んでいて面白かった。そこにいたみんなも「まただ」なんつって笑って、本人その気はなくただただ一生懸命なのだが、そのおじさんのおかげで現場が盛り上がった。人に対してじゃなくて自分に対しての大袈裟すぎるくらいのボヤキはおもしろく、腹から出た言葉は風通しのいい気持ちよさのようなものも感じた。ボヤキまくりながらも時間になるとちゃんと仕事が終わっていたからまたおもしろかった。

もひとつ、「めんどくせぇ」で思い出すのは、自分が育った九州は宮崎、延岡の方言で「よだきぃ」。そのまま標準語にすると「めんどくさい」ってなるとおもうのだが、田舎にいた頃、何かにつけて「よだきぃ」って言ってたようにおもう。これ延岡に限らず若者の通るとこかもしれんが、何をするのもよだきい。かといって何にもしないでいるのもつまらなくて、何だか不安にもなってくるのでこれはこれでよだきい。学校のマラソン大会などはもちろんよだきくて、授業もよだきい。もうなんもかんもよだきい祭りで、学校に行くのもよだきくて、左にまがったらすぐ学校ってとこまで来といて、真っすぐ行ったずっと遠くに山があって、「あの山行ったらおもしろそうやね」と左に曲がらず友達と「はは、よだきぃ」なんつって学校無視して真っすぐ山まで行って、何にもおもしろいことがないもんで湧水のあるとこで弁当だけ食べてひきかえして学校に行って、「何やってんだか」と結局よだきぃおもいだけしか残らなかったりして。そんなこと繰り返しながら、ほんとにおもしろいこと、やりたいことを探していたような気がする。
だからなるべく面倒くさいことのほうに向かい、何かしら何かにもっとあらがいながら自分がおもうおもろいこと、やりたいことを探して生きてたんじゃないかって肯定してみたりして。

いやはやなんでこんなことを書いてるかというと、めんどくさいってのをもっとめちゃくちゃ自覚してみてもいいんじゃないかとおもったこと。めんどくさいことが起こったら左官屋さんみたいに「うわ!」とか自分に腹から言っちゃっていいんじゃないかとおもったこと。僕はその左官屋さんに出会ってから影響を受けた。「うわ!」とおもったら「うわ!」って言うようになった。「うわ!」と吐き出してから仕切り直して「さぁどうしようか」って、順番がはっきりしてだいぶ楽になったのを覚えてる。名前も知らず、あまり話したこともないその左官屋さんに解放させてもらった。一番最初に感じることを、知らず知らず、場所によっては言えなかったり、自分の中でなかったことにするのはもったいないし、気付かないふりをしているとモヤモヤがつもってしまう。それよりもめんどくさいことの首根っこ掴まえてまじまじと真っ向勝負、駄目だこりゃとなったら逃げるのもいいだろうし、存在を明らかにしてからそれどこじゃねぇとなったら横に置いていてもいいだろう。こんちきしょうつって笑えるくらいに、めんどくせぇなぁと実感して立ち向かって乗り越えてみるのも面白い。全部自分事として。

また別に、例えば文明が「ここからあそこまで遠いなぁ、めんどくせぇ、なんかこうもっと早く行けんもんかね、馬に乗ってみっか」的なとこから始まったとして、馬車、車、新幹線、飛行機、携帯、コンピューター、どんどん便利になって、これからもどんどん便利になってくんだろうな。それはそれでめんどくせぇってことが新たに生まれてまた発展していくんだろうけど、「めんどくせぇ」ってやつの反対語が「便利」ってだけじゃ、なんだか味気ない。いろんなツールを使って、簡単に人とつながれて、簡単にガス抜きもできて、ますますデジタルで、顔なしのツルツルになってくだろう時代の中であらがうように「めんどくせぇな、あぁめんどくせぇ」って言いながら、辿りつきたい場所へ、自分の手で、自分に立ち向かっている宮崎駿さんがかっちょよく見え、こんな人だから「千と千尋の神隠し」で主人公がおにぎりを食べて涙を流すシーンを描けたりするんだろうなと思った。そしてそれでおもいだした、一個一個ぶつかってはいちいち大袈裟に大声をあげ、自分事と格闘していた左官屋のおいさんを愛しくおかしくおもいだし、なんだか安心もしたりして。

時代に生かされ文明の利器とも上手く付き合いながらも、文化はもう少しそこにあらがってもいいんじゃないか(例えば自分はとても小さい話だが、人が使っているとわかりやすく、ほっこりしてありがたい記号「()」ってのを使わないでこの電子文字を使って人に伝えてみようとか、歌にもできないマイナスな感情をそのまま電子文字で書くのはやめようとか、携帯なるべくいじらないとか、とかとか)。
便利で簡単な分、めんどくさいこともやっとかないとおっかないというのもあるが、結局は温度をもってる人と人同士だからして、デジタルでは再現できないライブ、生音、人間。アナログ派としてはそのほうがもっとおもしろいことに出会えるんじゃないかと期待をもっていたりもして、人にとってはどうでもいいめんどうくさい自分事を自分に課している次第です。

そんなめんどくさいことを考えながらやはり、自分は自分でずっと生で感じ合えるライブをしていきたいと改めて思え、久々に昭和な人に会えて嬉しくなり、「風立ちぬ」という映画が観てみたくなったドキュメンタリーでありました。 おわり。



法事があり延岡へ帰る
こちら宮崎空港

電車に乗って延岡につく。出ていったり帰ったりの線路

海をみにいきちょいとオセンチな気分にもなり

姪たちと花火したりして

自分が育った家の屋根と雲と電線

アナ-キ-のギタリストで泉谷しげるさんのギタリストでもある
藤沼さんとユニット藤沼くんと中尾くん で刺激的な夜をすごし

TVKの番組表の表紙撮影で厚木ゴルフ場へ行ったり

生音生歌ライブの後、ペテカン野球チ-ムに参加し

ビルディング。全部スピーカーにしてライブやってみたいなぁとかおもいながら

CDの整理整頓もしたりして

ギターの手入れなどもし、






がキレイだなぁと
今月も色々あったなぁと
そしてまた来月 そして今年最後の月、一気にかけぬけたろうとおもう次第です。
年またぎTVKの生放送で何曲か歌わせてもらいますので、見れる方はぜひ。 









♦独占企画 諭介がお答え致します

■「中尾さん、こんにちは。ボムボム心弾んだ秋始まりお祝い出来事、文章からぐゎんぐゎん嬉しい気持ち伝わってきました。結婚パーティー本田氏大号泣、首謀者冥利につきますな、Congratulation!(^J^)です。素敵なお友達と良いご縁がこれからも続きますよう。中尾さんは高校生頃から人前に出るはかなり慣れていたんですね。これからもいっそう充実したステージライフを。、期待しています。
P.S.
好きなお魚は何ですか?自分は何でも美味しいと思うけど、、母はイクラが好物です」(匿名 20131024 11:56
釣るなら黒鯛、食べるならひかりものが好きね黒鯛も食べるけど。 サプライズ伝わったようでよかった。ほんとおもしろかったよ。



こんにちは。はじめまして。
2000
年夏、お風呂上がりテレビで、偶然インザスープに出会いました。当時「最近音楽はつまらん!」と思っていた私にとって、インザスープと出会いは衝撃的で、あれから13年、今も私は音楽が一番好きで、大阪小さなライブバーに通っています。
もちろん、聴く側ですが。
インザスープライブには、もう多分、10年くらい行ってません。だけどこうして、今も歌っているゆうすけさんにまた会えて、嬉しいです。
実は最近もまた、聴く音楽がなくなって来ていて、99年から02インザスープを聴いています。懐かしい気は全くしません。今もなお、「そうだ、そうだ」と心にちゃんとおちて来ます。
あれから13年、私も38歳になり、まだあ何かが抜けきれずにいます。それは何となく孤独で寂しい気もしますが、これが私なんだと、どこか心地よく受け入れられるようになった気もしています。
またいつか、そう遠くはないうちに、生でライブで、ゆうすけさん歌を聴きに行こうと思います。そまんま、歌い続けていてくださいね。

光った汗を、私もずーっと信じています 」(朝川陽子 2013112 10:43
そんな出合いがあったのね、嬉しくなるわ。ありがとう!歌っていきまっせ、またどこかで聞いてもらえたらやわ、ビバ音楽ライフっ。



■「私も曇天雨が苦手です。分厚い雲を眺めていると太陽なんて、明るいひかりなんて信じられない気持ちになりがちだけど、っぱりそ分厚い灰色向こうには太陽が笑ってる。自分目では見えないけどちゃんとそこにあるもを信じる強い気持ちを持てる自分でありたいです。分厚い雲なんて蹴飛ばして太陽と一緒に笑いましょう!

追伸   ジュテームで絵本朗読即興、優しくてあったかい空気に包まれました。一瞬でそんな空気を創れる諭介さん、インザスープみなさんが魔法使いに見えました (夕陽 20131117 10:52
イリュージョンやね、自分でもよくわからんもんね、僕はメンバーや来てくれたみんなや、何かに歌わされてるような感覚になった時満タンになるわ、この前みたいにね、一緒に体感してくれてありがと。



「東京人としては東京カラーが灰色だなんて正直穏かではないですね。東京だって毎日雲ってるわけじゃないし、もっと目を大きくしてすみずみまでよく見たら、灰色中にも少しはきらりとしたシルバー的な部分を感じていただけるんじゃないかと思います()諭介さんにとって灰色中にもきっとあったんだと思います。だけど、鈍曇りを越えてきてくれ、諭介さんが歌っているところに出会えたと思うと、これからも歌っていくごとにそ太陽を大きくしていってもらって、時間が経って思い出すあ曇り空にシルバー的な部分が増えていたらいいなと思います。そして、ジュテーム。偶然に決まった10月6日をただ語呂合わせでジュテームにして、それがみんな中に残っていて、あ、今日ジュテーム日だねってなるは、すごいですね。今回コラムを読んで、愛してる意味を持つジュテームって、こうして集まれる日にぴったりだなって改めて思いました。来年も再来年も、そして3年後も世間的にはなんでもないに特別な日。今年も楽しかったです♪」(A.T 20131120 17:17)→ぎゃ!こりゃ失礼、だね失礼しやした。でもよそんな東京も好きなのよ。ご勘弁。 うむ、特別な日になっちゃったね、これからも106よろしく。


■「生まれも育ちも東京で、
いろんな空景色を観ているけど、
子供頃から私東京色は灰色です。
眩しい太陽も青い空も白い雲も知ってるけど。
私には東京が合わないかもしれないな。←大問題(笑) 

自分夢を実現させ、いつかこ街を出て行こうって思ってるけど、
ここにはね、スターという名デッカイ太陽がいてね、
あったかくて、気持ちが良くてね、与えてくれるパワーがハンパないです(笑)
そんな太陽が照らしてくれる限り、私は頑張れる^^
いつまで経ってもこ街から出て行けそうにないけどね(^_^)

ジュテーム、毎年思いますが、
諭介さんを始めインザスープ4人が一番いい顔してる
想いが伝わってきて、こちらもより楽しくなっちゃいます♪

野音、楽しみにしてますね!
スマホスケジュール帳にばっちり書き込みましたよ(^_^)v」(ゆな 20131123 12:32
はやっ、そして偉いっ。やりまっせ。灰色、ぼかぁあの建ち並ぶビルディングの色も手伝ってるとおもうね灰色。


■「私がin the soupを友達から教えてもらいライブに行くようになり約10年。でも野音in the soupを知らないで野音in the soupを見に行った友達が羨ましかった。でも益々パワーアップし続けてるin the soupを3年後野音で見れるなんて、こんなに楽しみで嬉しいことはないです。きっとそ日は突き抜けるほど青く雲ひとつない晴天はず。

ジュテームで録画した絵本朗読即興曲をyoutubeupしてみました。聞き取りにくい箇所もあるけど雰囲気は十分伝わるはず」(柿の種 20131123 20:31)
アップありがとう。ますますこりゃ野音に向けてやらにゃあいけませんな、おもろい景色みせれたらとおもうわ、いきまっせ。