2011年2月25日金曜日

Vol.133「2月、寒風、ドン曇り」の巻

春がもうきてる。
空気が変わって季節が変わって、あったかいのは嬉しい。

あったかいもんっていつもあるとわからなくなるけど、心でも体でも、寒いとこにばっかりいると、あったかいもんに触れた時、包まれるような、ありがたい気持ちになる。

「千と千尋の神隠し」って映画で、主人公の女の子が、もらったオニギリをほおばって涙をこぼすシーンがあるんだけど、あんな感じやろうか。

空腹も忘れて、かけずり回って、たった一個のオニギリで、いろんな感情がほどけて
涙がこぼれてく。涙を全部こぼして、また次に向かってく主人公の女の子、いかったなぁ。なんつって、春の訪れ感じるこの頃いかがおすごしか。


2月、ドン曇りの寒い日が続いた。その日の天気で自分の気分も変わる。
これ自分のよくないとこでもあるとおもうんだが、そんな日はどうにもマイナスなことばかりが連鎖していく。不安要素が次々に頭の中よぎって、抜け出せなくなる時がある。
不安やら、寂しいとか、後悔とかに縛られる。そういう感情って何かしらもの心ついた時からあるものなんだろうね、危機管理というか。もうこれは、誰もがそうなんだろうけどね。だからやりたいことが浮き彫りになったり、つくりたいものがでてきたりするんだろうね。ずっと春だったらポワーンポワーンや。

考えてもしょうがないことを考えて、勝手に落ち込んで、ずっとそのまま何にもしないでいられるほど図太くもないようで、何かしらやる。考えるのは苦手なので体を動かしてなにかしらやる。

何かしらやってても、どっかのダムに溜まっていく。本当に打破できるのはこれじゃないってなる。

砂で山つくって、てっぺんに棒を立てる。砂を少しずつけずっていって棒が倒れるまでやる。砂をけずってけずって、それでも倒れない棒がみつかるまでやる。結局倒れない棒なんてないんだけど、それの繰り返しのような。そうやって本当にやりたいことやつくりたいもんがみえてくる。


歌ができるのっておもろい。頭で考えてる外からやってくる気がする。
その距離が遠いほどおもしろい。

出てきたあとで自分がみえたりもする。
訳がわからないけどそれでしかありえないものがでてきた時がいい。

寒いドン曇りの最中だって、考えられなくてもどっかで知ってる。覆われた雲の上に自分にしかわからない太陽があること。予感。たぐりよせる。

マイナスのゴムを引っ張って、飛ばす。雲に穴あけて光がさす。
小さな光でもみえたら、やっぱりなってあとは広がってく。
こじ開けた太陽の光の下、自分の太陽の光で笑い合いたいもんです。


春の予感、つかまえてこじ開ける。そんな2月の夜より。