アッつい夏に、今年はおかしいとか、あっついあっついなんてことをぼやいていたら、はいはいわかりましたよ、なんつって急激に冷え込んだりして、極端な秋。
はっきりしていてわかりやすいけど、なんだかやっぱりあの、じんわり感というのが欲しいとこです。
朝焼けや夕焼けの、あのなんともいえない、何色ともいえない部分。言葉にならない部分というのはやっぱりあってほしいもんです。察するとか、想うなんてことがどんどんなくなっていくのかしらなんて、極端な秋の中おもったりして。
んが、やはり秋は秋。この清潔感のある空気のなか、背筋伸びる今日この頃、いかがおすごしか。
先月にひき続き、8月宮崎滞在記を書こうとおもうも、時間が経つと思いだすのに一苦労だもんで写真をみながら書こうとおもう次第です。
10日程の実家滞在。高校時代に使っていた自分の部屋で寝る。
朝はほとんど毎日、姪っこに起こされた。「朝よー起きんけー!」なんつって元気よく起こされるが、こちら寝るの遅かったからまだ寝かせてくれんかと、ごにょごにょ。
また眠りの中へ。
眠っている間に携帯かちゃかちゃいじられており、写真をパチリ。寝ぼけたあたまの遠くで、姪っこふたりのイタズラヒソヒソが聞こえる。「ひっひっひ」
あるときはこそこそと足元で話しており、やはり意識の遠くで二人の声が聞こえる。
「おねぇちゃん、足に毛を書いちょってやろうや、ひっひっひ」ヒソヒソ話、いたずらの提案はいつも妹の方。
起きてみると案の定、マジックで毛が書かれており、「なかおゆうすけ」と丁寧に名前までかいてあった。「こら!なんしよっとか」げらげら笑いながら逃げる姪っこ達。
2010年夏、いい思い出です。
そんなこんなで、今回は弟ウコカとのライブ、兄弟歌喧嘩祭り。
自分はギターのタメゴロー氏とバイオリンの永野さんとの特訓のため、宮崎市内の方へ遠征特訓。途中、口蹄疫の消毒があったり、いろんな匂いがしたりと、口蹄疫の影響を実感する。
練習スタジオは宮崎のパンクバンドの隠れ家のような、バラック小屋のスタジオ。
まわりは畑に囲まれており、一日そこで特訓。素敵な場所であった。こういう場所を自分達で確保しているパンクバンドを羨ましくおもう。
もう7、8年前やろうか、弟ウコカから自作の曲が入ったテープをもらった。
ツアーの帰り、一人の車の中でそれをきいた。
気がつくと同じ曲を巻き戻しては何回もきいており、へたっぴだったけど、なんかよかった。我が弟のことで恐縮だが「三冊の本のはしご」という曲、おすすめです。
マイペースで音楽活動を続けてきたウコカも去年アルバム発売となり、全国を旅して歌うようになった。そんな時、宮崎県は延岡総合文化センターの方より兄弟でのライブを提案してもらい、実現した。
初めは一瞬、今やる時だろうかとか、単純になんだかはずかしかったりしたが、こういった機会でもないとやることがないので、遂行させてもらうことにした。
東京にて、ふたりで曲をつくったり、練習をしたり。兄と弟ではあるが、お互いの歩んできた音楽道を、それぞれ、いち歌うたいとしてぶつけあえたのがおもしろかった。
全然違うとこもおもしろかったが、似ているとこもあった。
似ているところが、困ったことにハモリが苦手とかギターソロが上手でないとかであった。
これ、二人でうたう場合、どちらかがハモれたりできそうなもんであるが、どちらもチャゲ役にまわれない。よって二人で同じとこをうたうのだが、逆にそこは兄弟、同じメロディーの中でハモれたような気分になった。兄弟でしか出せない何かも発見できておもしろかった。
本番、地元のみんなの協力もあり、大成功となった。もちろんまだまだ二人で出来ることも、伝えたいこともありそうだと、お互いに感じたりもした。
兄弟で地元でのライブはなんだか、お客さん総親戚みたいな気分でもあった。
正月やお盆に集まる親戚、会ってない時に恥ずかしくない生き方をしてきたか、胸を張って会えるかみたいな気分になったりもした。あったかさも厳しさもある。
一つのライブを完成させるのに、協力してくれたみんな、足をはこんでくれたみんな、そんでウコカに、またこれから先、もっともっと自分の道を磨いたろうとますますおもわせてもらったライブであった。そんな力をもらって、我が道をいき、またいつの日か、歌喧嘩できたらと思う次第だ。(おわり)
P.S. さて、ニックバッカーズ11月26日@吉祥寺プラネットKでのワンマンに向け、秋を疾走する次第ですどうぞよろしく。よい秋を!