9月23日は宮崎の地元で、毎年行なわれている「サウンドビーチすみえ」に参加いたしました。その一週間前に台風によって延期になり、スケジユールの合わなくなった出演者の代打として出てくれないかとの電話が入り、いくらなんでも急すぎるやろとおもうも、実行委員長が高校の後輩でもあったし、僕はスターでもあるので、ここは先輩風を吹かせ「おう！ まかせちょけ！」と気前よくひきうけたものの、夜になって考え直し、スターなのに多少の条件等々の大人な調整をぐじぐじとして、参加するにあいなった。
山をぬけ海に到着し、ヤッホーな気分も早々に司会業が待っており、宮崎のFMのDJである木村つづくさんとMCを務める。ライブイベントと思いきや、ダンスあり抽選会あり、フットサルあり腕相撲ありと、なんでもありのイベントだ。
スターなのでなんでもできると思われがちだが、司会ってむずかしい。自分のことだけじゃなく、全体を見ての要点をお客さんに伝えるってむずかしい。もう木村つづくさんにまかせっぱなしであった。さすがプロだ。僕は抽選会の時にくじを引く役目をした。
一度やってみたかった伊東四朗の「ニン！」も、あまりに古いため自己満足に終わった。「ニン！ 362番！ シイタケ！ おめでとうございます！」ってな感じだ。「このシイタケどうやってたべますか？」「味噌汁に入れて食べたいとおもいます！」「いいっすね味噌汁！ おめでとうございます！ じゃあ次！」ってな感じだ。
僕は二十歳そこそこの頃を思い出した。社会勉強だとパブで働いたことがあった。パブとはいえ、女の人などがきた場合席につき会話をする、なんちゃってホストだ。僕は人と会話するのが苦手だった上に、自分で働いておきながら、“こんなとこに飲みにくる女子はアホや”ときめつけていたので、会話もはずむはずがなく。「食べ物何が好きなの？」「えー、わかんなーい」「へー、ピーマンとかどう？ 食べれる？」「食べれないこともないけど」「じゃシイタケは？」と、どうでもいい質問をくりかえしていた。そのうちお客も「何この子、疲れる。替わってー！」とチェンヂを要求し、自分で先輩ホストのとこにいき「なんか自分、疲れるみたいっす」と言って替わってもらい、ぼくは商店街へチラシ配りにいくといってはギターをもっていって、歌ってさぼってた。かなり話は脱線したが、そんなシイタケリンクを頭の中で張りながらも、会場はうまか棒まき大会へ移ったので、ステージの上から大量のうまか棒を集まってきたガキんちょ等にまく。うまか棒を我先にと激しいバトルが繰り広げられている中、一人のガキんちょが微動だにせず、眉間にしわを寄せてこちらを睨みつけていた。僕の姪だ。僕はアイコンタクトを受け取ると、姪めがけてうまか棒を投げる。姪は笑顔になり、自分のまわりに投げられたうまか棒を拾った。
それが終わると今度はフットサルの実況中継。グランドの方へ移動し、その隅で僕は解説を頼まれていたのだが、「ルールも知らないのにいいのか」と聞いたところ、「いっちゃがいっちゃが」と実行委員が言うので引き受けたが、案の上展開が早く、なんにも解説できず、ただ見ていた。それでもところどころ「うわーすごいっすねー」とか、ただの感想をマイクにとおして述べていたのだけど、ふと客席の方を見ると誰もフットサルを見に来ている人がいなくて、僕は椅子から転げ落ちるくらいに大爆笑をした。どうにもならない木村さんと僕の中継が、芝生の上を転がっていた。
夜になり、いよいよイベント本命のライブへと突入し、僕も休みながらライブのことだけ考えられる時間となった。延岡のバンドTHE SUSがかっこよかった。刺激を受けながら自分の番となり、歌った。最後には海辺より打ち上がる花火を見て、今年ぎりぎりの夏が終わった。
台風のおかげで、ぎりぎりではあったけど、毎年手作りで、なんかやったろう！と自分等であれこれ考えてやり続けているイベントに参加できてよかった。
翌日、実家に戻れば食べておきたい天領うどんを食べにいき、歩いての帰り道。団地の横を通りすぎるとモノが投げられた音がして、ヒステリックに子供を叱る母親の声が聞こえてきた。人の家には人ん家のルールや事情があるとはいえ、聞きたくない音と声だった。僕はわびしい気分を引きずって、きっと天気のせいだと、くもり空のせいにして団地をぬけて堤防にあがった。
草むらに埋もれ、彼岸花が咲いてた。とんぼが飛んでた。空は相変わらず曇っていて、川は流れていた。やっぱり団地の声が残ってて、「ホテルルワンダ」という映画を思い出した。ひきずりながらも実家のご先祖さんの墓に手を合わせて帰った。
おめんやら、金魚すくい 。
毎年おもうけど
色がきれいなお祭です。
映画にでてきそうなお祭です。
大物狙いのガキんちょの男の背中。
◆独占企画 諭介がお答え致します
■「諭介氏、こんばんは。欲しくなったので8/24神戸ライブに行きました。久しぶりのインザスープライブ、楽しくてニコニコ笑いが止まらんかっ たです。夏の代表曲"檸檬"など、ライブ前に聴きたい聴きたいと思っていた曲をやってくれて、以心伝心かと思ってしまったよ。あは。また聴きに行きます、 ホントに楽しかったわ。今思い出しても顔が笑う～。これからも関西に来て下さいね！」（from： J 2007/08/28 23:47 ）
→以心伝心、強かったっちゃろうね。びしびしきました。「檸檬」、野音とか一回目のえほんの郷をおもいだすわ。またきねよ。
■ 「諭介さん、お元気ですか？ 今回のエッセイを読んで……諭介さんの記憶の鮮明さってスゴイですね。さて宿題をやらなくちゃ（笑）。この夏の「おもひで」 ですか……おもひでというか、個人的に例年になく“こんがり・じっとり”みたいなイメージがあります。ベタな話題ですけど、野外ライブに行ったことは大き かったです。自由な雰囲気の中で心が開いていく感じは、いいものでした。久しぶりに草むらでバッタに跳びかかられてビックリしましたが （苦笑）。神戸のライブ、コンパクトながら“これぞインスー！”なセットリストだったように思います。甲子園の感動から演ったアンコールの“東京野 球”……良かったです。打ち上げ、楽しかったようですね。やはり店長さんのキャラクターの力!? 旅の途中で……目的さえ決まっていれば、辿り着く道はい くつもあるのだと改めて。過去より未来だなぁって（意味深） 。ジュテーム、楽しみにしています！ またお会いしましょう！」
（from：オリオン 2007/07/31 17:12）
→乾いた秋の野音も楽しみやね。今度はトンボに気ぃつけて！
■ 「中尾さんも少年時代は丸坊主だったんですね。想像つかないですね～。わたしは相変わらず夜空を見上げてばっかりいます。手術して左耳の聴力が戻ったんで すよ！ これで今年こそは生中尾さんに会いに行こう！ ジュテーム行こう！と思ったんですが、ライブハウスのスピーカーの音量には鼓膜が耐えられないみた いで、涙、涙です。。。久々に東出さんのページで中尾さんが見れて嬉しかったです。男っぷりあがってましたっ!!」
（from：スイ 2007/09/07 22:24）
→おーいかったいかった。CD聞いてね。東出さんパワフルやったわー。アコーステックな時もあるから様子見てきねよ。耳栓して骨で聞くもよし。野音の時は空から聞こえるかもね。
■ 「中尾先生、宿題を提出します！ 私のこの夏のおもひで……五月に行ったえほんの郷で見た星空の美しさに心を奪われてしまい、それ以上の思い出を作る事を 忘れ、家と職場を往復するだけの毎日。→頑張りすぎて原因不明のめまいに悩まされた今年の夏……そんな事しか思い出せません（苦笑）。唯一ステキな思い出 といえば、ライブで諭介さんにお会いできた事。これからも思い出作らさせてください。 」
（from： 匿名でよろしくです 2007/09/08 11:03）
→たぶん原因は僕が男のなんかをどばーっと出しすぎたせいじゃなかろうか。ちょっと調整せないかんな。くらくらっときちゃってんだね。気をつけよう。
■ 「9月とはいえまだまだ暑い日が続きますが、お元気ですか？ 基本的に夏が嫌いで秋冬春で過ごしていきたい私にとっては、今年の夏はかなりの脅威です。と はいえ、夏ってお祭り事満載で夏の空や花火、夏の海は大好きです。やっぱり、苦手ですが夏は必要ですね。。。という私の数少ない夏のおもひでをひとつ。。 [1]花火大会→大阪で1、2を争う花火大会。会社のメンバーとかれこれ４年目の恒例行事なのですが、川辺でちびっと飲みながら真正面に見える花火が年々 心に沁みてきます。素直に“わぁ！”とか“綺麗！”とか感じる瞬間でした。[2]流れ星→職場が日本橋という都会の真ん中にあるのですが、仕事が終わって 会社を出た瞬間夜空を横切る明るい物が。。。明らかに流れ星というよりも“燃えてる隕石”という感じで、綺麗よりも怖いと思った位リアルでした。。。未だ に何なのかわからないのですが、焼き付けられました。[3]神戸→久しぶりにインザスープ・ライブを拝見しました。ライブハウスの雰囲気も相乗効果でおも しろかったし、中尾さんがとてもセクシーでした。男のなんかをどば～っと頂きました。潤いを有り難う御座いました。PS.長文ですいません。。。」
（from：なお 2007/09/09 21:33）
→そうそう、どばーっとね。あの隕石みたいのみたっちゃね。すげーよね、ありゃすげー焼きつくね、そんな男になりたいもんです。
■ 「夏休みの宿題です（笑）。今年の夏の思い出の１つは夏フェスに参加したことです。今まで夏の野外ライブには行ったことがなかったんですが、とても楽しめ ました！ でも、井上陽水さんのステージを見逃して“氷の世界”を聴けなかったのは残念でした。だけど私、諭介の“氷の世界”が好きです。と言っても、諭 介さんの“氷の世界”しか聴いたことないんですけどね（笑）。この日は一青窈さんの歌がよかったです。真っ赤な靴に銀色のドレスも可愛かったな＾＾今度は インザスープが参加するフェスにも行けるといいなぁと思いながら見ていましたよ。それから今年の夏にはついに30歳になりました。インザスープを知って好 きになったのがちょうど20歳だったので、しみじみしてしまいます（笑）。だけど、今も変わらず諭介さんが歌っていることも、私が変わらず聴いていること も、嬉しいなと思います＾＾この関係は、あと何年続くんでしょうかね？なんてね（笑）。にしても、今年の夏はとても暑かったですねぇ。と、そんな夏でし た。それでは！ ジュテームとアルバムを楽しみにしています！ もう少しだぁ！(^0^)/」（from：Ａ.Ｔ 2007/09/10 17:19）
→10年！ いつでも心は新人なのに10年かー！ よくここまできてくれた。ジュテーム！ つな～いで～手～ね。
■ 「中尾さん、お元気ですか？ まだまだ暑い日もありますが、だいぶ秋らしくなってきましたね。私の夏休みの宿題を提出します！ 今年の夏は、海で泳いだ り、久しぶりの友だちに会ったり、花火を観たりいろいろと楽しいこともいっぱいありましたが、パッと頭に浮かんだのが、実家に帰ったときに家族で行ったお 墓参りです。汗が流れるくらいとても暑い日の真昼間に、お寺の入り口にいる怖い番犬にワンワン吠えられて中に入り、日傘を差しながらみんなで拝んで、家に 帰ってから“暑かった～！”とか“今日もあの犬は怖かったなぁ”とか笑いながらアイスを食べた……。なぜかそういう普通のことが印象に残っています。そし て何より、今年の夏はIn the Soupも中尾さんのソロもいっぱいライブがあって嬉しかったです。遅くなりましたが、岡山のライブとてもよかったです。夜、風、星、月、緑、虫……In the Soupの歌に出てくるものたちに囲まれて聴く“夜のかけ布団”はとても心地よくて鳥肌ものでした。今年の夏、最後の最高の思い出になりました。どうもあ りがとうございました！ 」
（from：K.Y 2007/09/21 2:14 ）
→いいねー日傘と墓参り。犬と夏。絵がうかぶわ。自分じゃなくても墓参りにいったと聞くと気持ちがスーっとします。
■ 「この夏のおもひで。相方が忙しく、とくに大きなイベントがなかったこと。その替わり、毎日ジムで汗をかいてみたこと。おばあちゃんが亡くなったこと。 でっかい虹を見たこと。そんな事を思い出しながら、今日、髪を切ってみました。諭介さんの思い出のカニさんたちは、この夏もポンプ小屋の横でゴソゴソして いるのかな？ ジュテームも近づいてきましたね♪ 行きたい気持ちはいっぱいなのですが、今年は（も）無理なんです。いつか行くぜぃ！ 遠い空から、思 いっきり楽しいライブになることを祈っています！」
（from：きょん 2007/09/22 23:56 ）
→あんなに先月書いてたのに見に行くの忘れてた。僕の中でずーとゴソゴソして笑ってるわ。ずーっとなくならんもんです。
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