2007年8月28日火曜日

Vol.91「秋のいたずら」の巻

 まだまだ暑い日が続くね。
 こないだいつも歩く道で信号待ちをしてボーっとしていると、視界の隅で何かが動いたので「おっカニだ!」っとそちらへピントを合わせてみると、枯れ葉が風に押され横に動いてただけでした。考えてみればこんな街の中にカニが歩いてるわけもなく、僕はガッカリして「カニだったらよかったのになぁー」と人ごみの中を歩いていきました。いかがおすごしか。

 カニだったらよかった。本当にそう思いながら人ごみを歩き、田舎のポンプ小屋を思い出してた。夏になると田んぼに水をおくるためにポンプが動く。モーターの音を轟かせ、勢いよく用水路にドドドドドーっと水を噴き出す。小学校の時、ソフトボールの練習の最後にランニングがあって、そのゴールもポンプ小屋だった。汗だくで沸騰した体を冷やしてくれた。僕たちは丸坊主の頭をその水の中に突っ込んで、水圧に耐えながらも開放感に奇声をあげたり、ヤっホーな気分をあじわっていた。気持ちよかった。 
 その用水路にカニがいっぱいいた。体の熱も冷め、呼吸も落ち着いた丸坊主。
 その中の誰かが「おぉ、ちょーでっけーのがおる!」なんつってはじまると、夕暮れ時の平和なカニ社会も一斉に大混乱。丸坊主大空襲。誰が一番でっかいのとれるか選手権がはじまり、そのちょーでっけーやつはちょこんとつまみ上げられ、ほかの丸坊主の感嘆を呼び、のちにハサミに小枝などをはさませられデモンストレーションをやらされる。「おー! ちょーついー!」その強さに丸坊主感嘆。その一番でかいカニをもっている王様丸坊主は、強いのはカニなのに、自分が得意になって今度は自分の指をはさませてみようとする。平民丸坊主達は「おーあぶねー!」と喜んで「はさまれたらおもろいのに!」と心の中でおもう。そんな平民達の気持にこたえようとしてか、感嘆がほしいのか、王様はもっとカニがはさみやすいとこへ自分の指を入れていく。
 案の定、王様は指をはさまれて「うわ! いてー!」、助けようとする者もいるが、大抵の平民達は大爆笑。「あいたたた!」と王様は指をふって、カニはふっとんで解放される。「血がでちょる!」と王様はカニの力がどんだけ強かったかを見せつけながら、血と涙をにじませて指を舐める。丸坊主達は、監督やコーチに「あしたー!」と挨拶をし、ポンプ小屋の音を後に、それぞれの家灯りへ帰っていく。

 きっとその後で、ポンプ小屋のモーターだけが響く田んぼ道を、横歩きでゴソゴソとあのカニも一人、家族の元へ帰っていってたんだろうな。 

 カニの甲羅にはいつも笑っているような模様があった。
 大きいのやら小さいのやら、「おい、丸坊主がきたぞ! 逃げる準備しろー」って大変やったのかもしれんけど。時々、それが気持ち悪くみえたりもしたけど、みんな笑ってるような模様があった。僕は確かに、そんなものたちと生きてきたんだなーと思うと、少し嬉しくて、ちと寂しくて、人ごみのごみになってカニと一緒に歩いた。

 まだまだ暑いと言いつつも、秋はそこまできてるのね。(おわり) 

P.S. 今年の夏は、四国の四万十川へ行ってみたかったが、予定が合わず。福生に行って終わりかとおもいきや、急遽24時間テレビに出演するべく宮崎の高千穂に行って清流をみれたり、ツアーでいった岡山でバーべキュウやったりと、おもろい夏になりやした。高千穂は夜になると流れ星が燃えていたし、岡山は山と空に包まれたステージで歌えたし、まったく自分らで主催してるフェス、サウンドウッドでは熱い人達に会えたり、おもろいことっていっぱいあるもんやねー。
 
P.S.2 夏休みの宿題。
この夏のおもひで。 
これ読んでるあんたはどんな夏すごしたのか、教えてください。教えてちょんまげ。

P.S.3 佐賀北高校、感動しました。帝京高校のセカンドのファインプレーには一人スタンダップオベーションでした。 
日南学園勝てると思ってたのに残念でした。  
何が起こるかわからんもんや、ほしかった! 
甲子園、高校野球、今年も鳥肌がたちました。かっこいいっす! ありがとう!

 残暑見舞い申し上げます。
ツアー帰りに寄った神戸の温泉街にて。
 毎回打上げになると繰り広げられる即興のコントに腹割れるほど笑う。
激しくて悲しい笑いに尊敬の念をいだきます。
こんなライブハウス他にない。
神戸にて。
 太陽の神様が隠れてしまったと言われる洞窟。
子どもの頃は 川原に石が積んであったりして、怖く感じたものです。

宮崎県の高千穂にて。

高千穂おすすめです。
「ぶどうの樹」というペンションが、またいい感じです。

高千穂線のレ―ル

















◆独占企画 諭介がお答え致します


■「夕方にお風呂入ってちょっとビール飲んで外出すると気持ちよい季節ですね。初めてインザスープをライブで観たときの諭介さんの年齢に、もうすぐ手が届きそうです。器の大きな人になりたいです。よく笑う大人になりたいです。ちなみに当時高校生だった私に、インザスープの皆様は大変気持ち良く笑う大人達に見えました。今もたくさん笑っておられますか? ライブに行きたいです、夏ですもん。25歳でもはしゃぎたいわけです。暑い暑い野外で観たいです」(from:中澤麻里子 2007/07/27 22:52 )
→ツアー中はかなりメンバーともども幼稚化して、うんこ!とか、きんたま!とかでも笑える始末です。もう社会復帰できないのではとおもいます。旅はいいわ。車窓から流れる景色みているだけで、余計なもんがなくなっていくようで、おもろいです。年とってはしゃいでて、「いい年をして」とか「あほう」やとおもわれるなら「あほう」になったろうじゃあーりませんか。それでお嫁にいけなかったら、ライブにくればいーやないか。インザスープは「あほう」を応援します。

■「こんにちは。毎月コラムが更新されるのを楽しみにしていて、月末になると何度も覗きに来ては、まだ、まだ、まだ、キター!という感じです^^ コラム面白いですね。私は“ちょっと一服していけば?”のベンチに、諭介さんが“していくわ”とバイクをとめてフルーツジュースを飲んだところで笑っちゃいました。あとは、オートバックスとか。ここ大事~って、アンダーラインを引きたくなります^^ これから夏本番。暑くなりますが頑張ってください!! それでは、またライブ行きま~す☆
 追伸:先週の金曜日のライブ、短かったけど、私は楽しかったです。ライブ後、会えたら渡そうとお酒持ってたんだけど、なんか渡すタイミングがわからなくて帰ってきちゃいました。何やってんだ!(>_<) 諭介さん、わざわざ悪いねぇって言ってましたが(覚えてないかな?)全然悪くない!(笑)私、行ってよかったですよ。人生レール楽しかったです。私も四万十川に連れてってください!」(from:A.T 2007/07/31 17:12)
→(涙)(涙)生まれて初めてこのカッコ文字を使うくらい残念だが! 四万十川断念です。来年いくわ。
いつも読んでくれてありがとう、書いてていかったよ。今回、ツアーの帰りでまた遅くなり、ちと短めやけど、これからもよろしくよ!


■「心強い味方iPodには、どんな曲が入っていますか? 今一番のお気に入り又はお勧めがあったら教えてください。ちなみに私は“RYAN ADAMS”のアルバム『EASY TIGER』が最近のお気に入り。アコースティックな響きが心地よいです。“スター☆iPodの仲間に入れて”と歌っております」(from:Icuco 2007/08/05 20:27)
→ブライ・アンアダムスじやなくて? ライアン・アダムスって人がいるんだね。恥ずかしながら知りませんでした。僕はアコギが鳴ってればたいがい好きなので、スターの仲間に入れてみようかしら。アイポッドなかなか使いこなせていないんだけど、旅にシェリル・クロウは欠かせません。長渕剛は一曲だけ入ってますがきいてません。聞いてません?

■「中尾さん初めまして☆ 今日初めてここを拝見しました☆ In the Soupは中学のときから好きで、それからずっと心の中にいたけど、先日CD棚をひっくり返したとき久しぶりに『カラーバー』を聴いたら、あまりの素敵さに、再びとっても感動して、やっぱりインスーだなぁーと思いました。いろんなことに迷っていたわたしに、自分の思うとおりに進めばいいんだよ。って教えてくれたような気がして、とっても晴れ晴れとした気分になりました。ありがとう。インスーのライブはまだ一度しか見たことがないので、東京に住んでいたら通い詰めたいけど、東北っコなので、タイミングの合ったときにドカンと行こうと思います。ずっとたのしみにしています。素敵なコラムですね…☆☆見つけられて嬉しい♪」(from: nana 2007/08/09 15:02)
→よくきた!!! タイミングがあったらライブもドカンときなさいよ!!!!

■「毎日暑いですねー。溶けたりしてませんか? ところで唐突ですが諭介さんにとってとびきりの贅沢ってなんですか? ちなみに私は(人に聞いといてすぐに思いつかないんですけど……)分厚いホットケーキを三段重ねで食べること……(えっ!? そんな事?)。写真のワンコ、めちゃ可愛いですね。スターは連れて帰ってあげたのでしょうか?」(from:匿名でよろしく 2007/08/11 10:23)
→溶けてるよ、三段はかなり贅沢やね。この食いしん坊! 汗かいた後に小さいグラスでビールを飲むときかや? サーティーワンのベースボールパークとラムレーズンもねぇって、結構、贅沢って食べ物ばっかりやね、でもそういうもんよね。ここで一句。「質素でも感謝があればごちそうですね」……ちと字余り。

■「諭介さん お元気ですか? 温暖化も手伝って(?)強烈な暑さの夏ですね。この時期は、やはり花火! 諭介さんも、どこかで見られましたか? そして野外フェス……In the Soupは岡山のライブに参加。楽しい思い出ができるといいですね。今回の福生へのツーリングの話は、ロードムービー的な文章でカッコよかったです。時々出てくる、諭介さん独特のモノの形容が面白かったりもして。経験値を上げるというか……自分の知らないことを知ろうとしたり、新しい交流を持ったり、視点を変えてみるということを、私は少しのあいだ休んでいたような気がします。自分なりのスタイルを大切にしつつ、“思い立ったが吉日”、でも気負わずな感じをやってみたくなりました。四万十川へ向かう決意をしたとのことですが……念願が叶いましたら、こちらのエッセイでも是非ご報告を! お体を大切に。またお会いできる日を楽しみにしています」(from:オリオン 2007/08/11 10:48)
→念願叶えません!(涙)(涙)気負わずにね、そやね、気負わずにね。

■「ゆすけさんこんにちわ。おげんきですか! ぼくはおげんきでうす。ぼくも自電車で走っていたら、バスが追い越してきて、黒い煙が煙ですけど、パパ!って鳴らしてくれたので僕の自転車もチンチンて鳴らします。いっしょですね。ゆすけさんはアメリカにむかいましたが、ぼくは菖蒲町にぬかいます。遠いけど、たかしおじちゃんが待ててくれて、ぼくは汗をふいたので、20分だけ休憩しましたよ。ハンバーガーはマクドナルドでたべました」(from:たまだ 2007/08/19 8:49)
→おー!たまだくん元気そうやね。いろんなとこに赤ペン先生入りそうやけど、だいたいわかるよ。
僕も昨日ツアー帰りにマクドナルド食べたよ。一緒やね。旅っていーね。
また来月!

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