2006年4月27日木曜日

Vol.75「2006年春 心ん旅」の巻


 春雷ゴロゴロザ―ザ―雨降り、かとおもえば太陽の陽が照ったり曇ったりしながら天気は時々によってかわって、気がつきゃ僕の気分も随分と左右されてるなってな天気も気温も変わりやすい今日この頃、いかがおすごしか。
 前回同様今回も携帯電話からポチポチとこの文章を打っているんだけど。こんなちっちゃな画面から手軽に親指だけで、しかも足なんか組みながら、いいのかしらとおもいつつ、手軽さにかまけてポチっとな。
 インターネットやこの携帯のうまい文字っつうのは、なんだかちゃんとしていてちゃんとした人間になれたようで、そりゃそれでいいもんです。が、やっぱへったくそでも自分の字で書くのも好きです。みなさんはどうですか。最近月に一度くらいずつ一人で弾き語りのライヴなんかやってますが、そんときに回覧紙って新聞みたいなのを昔懐かしく書いてみたんだけど、結構おもしろくて。「だめやな~へたくそやな~」とおもいつつも書きたい事書いてるうちに、落書きみたいなのも自分だなと飲みこめたりして、心が少し落ち着いたりします。毎回この連載も、ポチポチ文字とはいえ、そういう時間ていいもんです。時間がいくらたっても、手紙を書いたり何かつくっている時間。記号や言葉やらの情報に「へ~へ~」なんて言ってるうちに自分より溢れすぎて、溺れてるのにクリッククリックで「もっと頂戴もっと頂戴」で、情報中毒になりかねない時代っつうか僕。そんな「へ~へ~」な記憶より、自分で手紙書いたりなんかつくったり汗流した記憶って、体のどっかでずっと覚えてくれてるもんだとおもいます。旅と似てる気がします。
「もっと頂戴」だけじゃいけないとこへ。そこが近所でも遠くでも自分を開放する旅。情報で散らかした頭ん中や、目をふせてた不安事や、いつのまにか自分を縛りつけてた約束事や意地や、そういうもんが少し溶けて、水平線の上を歩いてける気分。考えなくたって、体の記憶がまた次の場所へいざなってくれるような気分……ってわかっていながら、テレビにもぐって「もっとわらかして! お笑い芸人~」とリモコンポチポチやってるのも好きやけど。
 自分でも気付いてなかった自分に出会ったり、そのままの自分が出たり、願いだったりした想いが、形になってポツンと生まれて。それみてガッカリすることもあるけど、それを伝えたいと、渡したいと想える人がいるってことはやっぱり幸せっつうか喜びっつうか嬉しいことや。そんな時間だけで旅していたいとおもうけどね。

 五月八日は新宿ロフト~ヒ―トウェイブ兄さん達とロフト三十路を祝うライヴがあるんだけど、ギター一発っ! 歌一発! ドラム一発!の一発一発の集まりが力強くてかっこいいバンドで。インザス―プはもちろんやけどもちろんやけど、ヒ―トウェイブカッコイイよ。みるべしっ!よ。

P.S.
今年の春はやたらとチュウリップが鮮明にたくましくみえます。 こないだ名古屋で見た時から。んでチュウリップって、空にむかってキス……というよりはチュウしてるクチビルに似てるからチュウ―リップって名付けられたのかなとおもったんだけど、違うやろな。ちとやらしくなっちゃうかな。そういうことにしとこうとおもいます。春だし。

<kokopelli=古代インディアンが残した岩絵に多く描かれているカチナ(精霊)のひとつ。ココペリが笛を吹くと、大地から緑が吹き出し、花が咲き乱れ、木々は生い繁り、花粉は風に舞い飛び、動物たちは次々と子供を産み落とす……ココペリは、発芽と豊穣の神的存在と敬われている。またメキシコでは、音楽を司る精霊として崇められていたり、またまた子宝の神様ということから女好きな神様という説も有るよう>……が、僕の肩に宿ってました。