2006年3月28日火曜日

Vol.74「世界一ビリビリイナバウア」の巻


 さくら、さくら、まだか、まだか~、まぁだだよ―ってな今日この頃、いかが? おすごしか。
 日曜日、小学校の運動場では少年野球の試合がおこなわれていて、フェンスごしに見た。やっぱりどっか自信満々にみえる少年野球。やっばりね、世界一の野球国日本だもの、あんなに世界をもりあげたんだもの。審判や監督、コ―チ、大人たちの声も自信満々だ。ストライック! まわれまわれ! みっつ! みっつ! みっつ! ナ~イスバッチン!! 砂埃の中、 ナイスピ―! かっこいいな野球少年。 ちと前まではサッカーにグラウンドとられて、端においやられてるようにみえた野球。今、王監督やイチロー、選手達の今までの野球へのまっすぐな気持ちが世界一っていう最高の形になって、それが少年野球にも伝染している。世界一になったのは僕ではないのに、フェンス越しに僕にもビリビリきている。他の誰かのまっすぐなビリビリに震わせられる。かっこいいんだ。
 自分にはなにがあるのかはさておいて、確かなビリビリ。僕のなかの踊り子が元気になる。イナバウア―をなんども決めて輝いてくる。それですぐになにかが変わるわけじゃないけど、とても大事な気持ちにおもえ、ありがたくおもえる。誰の心にもいるビリビリな踊り子は、そんな気持ちだけでおどってるんじゃなかろうかしら。捕まえられそうで捕まえられないけど、たしかにいる踊り子。捕まえられないからもどかしくもあるが、また走らせてもらえる。踊らせてもらえる。
 音楽もそうだ。ビリビリだ。そんな気持ちにさしてくれる音楽はたくさんあるが、ここ十何年僕のCD棚の一番いいとこ、クリーンナップを打ってくれているひとたちがいる。そんななかのひとりにヒートウェイヴというひとたちがいる。 十何年前、レコード屋さんで聴いてからずっとだ。そればかりを頻繁に聴いてきたわけじゃないが、いざというときそこにいてほしい音楽だ。僕の中の山男が震わせられる。ビリビリきすぎて車運転、停まってる車に突っ込んで事故ったことがあるくらいだ。いけないビリビリだけど、そんくらい山男が踊らされたりする音楽だ。今もまっすぐにビリビリをくれるヒートウェイヴの山口洋さん。トロフィーはないけど、この人も世界一の人だ。 んで! そんなヒートウェイヴとライヴできることにあいなった。その瞬間ビリビリだった。しかし一緒にやるっつうことは、当日はライヴあんまりみれないのに……なんでビリビリかっつうと、やっぱ同じステージでちっとでももらったもん返せるかもしれんなというおもいだ。
 五月八日新宿ロフト、そんなヒートウェイヴとインザス―プの夜をみんなにみてもらえるのがたのしみだ。みにきなさいよ。
 それぞれみんな世界一になれたらいいと思う夜だ。

 向こうにみえるが世界一のヒートウェイヴの山口さん隠し撮り。ロフト打ち上げにて
向こうにみえるが世界一のギタリスト松田文さん。んで手前にみえるがこれまた世界一のイナバウアリスト、シオンさん

2006年3月22日水曜日

Vol.73「三月の梅の巻」の巻


 ぽつりぽつりと梅の花咲いて枝、枝、枝に赤、赤、赤やら白、白、白。
じいさんばあさん、それを見上げちゃ歩いて見上げ、がきんちょ達が走りまわって塀にのぼっちゃ飛び降りて、豆腐屋ぱあぷぅ~ラッパを鳴らす。カブトムシや蝉の幼虫は、もんぞとなんだか土の中で予感を感じてるんだろか。
春がきますよ 。
世田谷羽根木公園。
ゆっくりゆっくり進んでくもん達の夢だ。
なにやら予感に誘われてゆっくりゆっくり進んでくもん達の夢だ。
そうやって今があるんだぜって梅の花。
つぼみの時代を過ぎまして、花がふわりと咲きました。冷たい風や雨に流されて流されて流されても落ちなかったつぼみ達がみせてくれた夢だ。
花粉でボンヤリした頭で、んな景色を眺めては、あのじいさんばあさんガキンチョにはどんなつぼみがあんだろかとふとおもう。んで自分はどやろかと足元眺めるが、梅の木の根元とくらべるとなんとも頼りなく根元がふわりで、あ~あとまた遠く見て一服。
梅がキレイだ。次は桜の番だ。

あせるな、あせるな。ゆっくりゆっくりって言ってる間においてかれるぞって、かまわんどうぞ、おいてって。 忘れた頃に咲いてるわ。宇宙で一人の、人間だ。 のっしのっしといけばいい。カタツムリのスピイドで、のっしのっしといけばいい。土星のわっかでカタツムリ。波紋の揺れを感じます。

本当のことはいつかわかる。だからあわてず口をつぐめばいい。とかいいながら、口は今日一日を嘘で補修したりして。 なるべくなら本当のことだけで、惑わすことなくいけたらいい。のっしのっしといけたらいい。
って、んなこと、おもった三月の梅がキレイ。

血管みたいでかっこいい